矢部の通潤橋

行きたいと思っていた通潤橋にようやく足が向きました。あいにく14年振りの工事中でした。通潤橋は、水を対岸に引くための水路橋です。対岸には川が無く、橋ができるまでは水汲みは子供の仕事で大変な辛苦を味わったようです。90cmの直方体の石に30cm(1尺四方)の穴を繰りぬいて水路管をつくり、それを対岸まで敷き詰めて水を渡しています。サイフォン現象を利用した仕組みで、対岸の高さが1.7M低くなっているそうです。工事のため、対岸に渡れないことを申し訳なさそうに、地元の人が丁寧に説明してくれました。見物台は少しきつい坂道を登ってだどりつきます。説明を聞くまでは、水路管の間にある溝に水を通すものだと思いましたので、目は一所懸命に蓋がどこにあるのか探していました。実際は水路と通路が反対で3本の水道管の間を土で埋めて通路にしていたのでした。写真は通路の部分の土が取り除かれ石の水道管が剥き出しという状態のものです。放水は次の訪問の楽しみになりました。
水路管の清掃のために、中央から両側に向けて大小2つの放射線状の放水がされます。今回は駄目でしたのでもう一度訪問する理由になりました。川には鯉やウグイが群れていました。下流には吊橋もあります。手前が上流です。
見物台からの上部の前景です。
向う岸の手前で水路管が曲がっています(手前もまがっています)が、これは水流を和らげる工夫だそうです。
取り込み口と取り出し口の高低差が1.7mあります。
橋の幅は75.6m高さは20m幅は6.3mあります。水路管は127mもあります。
ここから、水が中央部との高低差7mの勢いでで流れ落ちます。石組の中が水路管で、一尺四方の穴が繰りぬいてあります。この幅を1寸広げると何反の田んぼに水が張れるが、橋の強度がどうのというような議論がされたそうです。丈夫そうに見える石橋にもやはり限界はあるようです。

砥用の石橋           石橋